top of page

【作品名】⑱OFFERING

robert1.png
ロバート・シンドルフ(Robert SINDORF)
オランダ生まれ
​1951-
​【作品に関して】
「オファリング」 という言葉は、捧げるという行為、また精神的世界、神、あるいは宇宙を意味します。それは、未知の実在に対して与えられる神秘的なコミュニケーションも含みます。これは私個人の、人生の積極的な要素としてのオファリングでもあり、アメリカと日本の親善のジェスチャーでもあるのです。

そのイメージは円に基づいています。円は完全な調和であり、それは、始まりとか、終わりを持ちません。それは太陽、天、完全、そして生命の循環のシンボルであり、平和的なイメージです。この円の一部は、空に向かって伸びる人の腕のようです。それは、宇宙を抱き締めており、またそれ自身を空へ捧げているのです。
地球の一部である石は永遠です。そしてオファリングもまた永遠なのです。

 

【制作】’96米子彫刻シンポジウム
【会期】1996
年7月13日~8月25

robert2.png
robert3.png
【’96米子彫刻シンポジウムを終えて】

このシンポジウムを知ったのは、3年前「岩手国際シンポジウム」に参加し、井田さんにお会いした時でした。彫刻家兼建築家の私には、彼の作品が、以前に南米やアフリカなどで見た古代都市を連想させ、とても興味を持ちました。その後、彼から届いた米子のシンポジウムの図録を見ているうちに、自分も参加したいと思うようになりました。

幸い今年のシンポジウムに招待され、井田さんと再会でき、私のガイドブックにほんの少ししか記述のなかった見知らぬ土地「鳥取県」への訪問を果たしました。更に嬉しいことに、イサム・グチが効果的に使っていた地元産の玄武岩を用いて制作したいという私の願いも実現しました。

米子での制作期間中はとても楽しい日々でした。制作会場は素晴しい場所にあり、中海から吹くそよ風のおかげで炎天下での仕事もはかどりました。あれほど休まずに連日仕事をし続けるとは思いませんでしたが、他の彫刻家達もそれを楽しんでいるようでした。夕方からは社交の時間となることも多く、船越さん、松本さん、足立さんが楽しく過ごせるよう心掛けてくださり、皆さんと一緒にこの6週間を充分に楽しむことができました。

私自身は、石や作品の構想に思いを巡らせていました。細部の決まっていない点については井田さん、本池さんはじめ、他の彫刻家達のアドバイスも受けました。多くの人々が私の作品制作に「参加」したのです。これがシンポジウムのあるべき姿なのでしょう。彫刻家は日頃一人で仕事をする事が多いのですが、他の彫刻家や、制作会場に次々と訪れるビジターからコメントをいただいたことも有意義でした。これこそが、私が米子で受けとったもっとも素晴しいプレゼントです。私の作品 "offering"を通じて、この私の想いを米子の皆さんに「捧げる」ことができたとしたら、これ以上の喜びはありません。

お別れパーティの席で、米子の皆さんとの強い結びつきを感じました。とりわけ友松さんの友情に深く感謝しています。いつかまた、米子に帰ってきたいと思っています。

 
bottom of page