藤田 英樹 1967- 鳥取県生まれ
2006年制作
【市民から見た作品】
Instagramsのストーリーズを用いて、フォロワーの方と彫刻ロード作品について意見交換した内容を記すこのブログ。
今回は「作品に対するイメージや感想」をお伺いしました。初めてにも関わらず、意見を下さった皆様、ありがとうございました。
今回頂いた意見には「既視感がある」や「綺麗な印象」、「今まで通り過ぎていた」などの意見を頂きました。
確かにこの彫刻、どこかで見た事がある様な印象もあります。綺麗という意見ですが、普通の道に急に彫刻があると言うギャップも、余計に綺麗な印象に繋がっているかもしれませんね。
【移住者・ CAから見た作品】
不思議な力を感じる。それが第一印象でした。
プライベートでも何度か通ったことのある道ですが、このブログを書くまでは、これが彫刻ロードの作品だとも思わず、あまりじっくり見ることもなく通り過ぎていました。
ただ、これが彫刻ロードの作品と分かると、不思議と魂のこもった作品に見えてきました。きっと米子でしか作ることのできない作品だと思います。
見た目は私が思い描く彫刻に近いです。私にとって彫刻と聞いてまず思い出されるのは、ダビデ像などの人型です。この作品も真ん中に女性像があります。左右にある細長い像はパッと見では何を表しているのか分かりませんでした。言い換えると女性像の印象が強く、不思議な力もそこから発されたものだろうと思いました。
先程米子でしか作れないと書きましたが、これは女性像の目の奥に強い信念を感じたからです。1ヶ月という期間、米子で過ごしたから生まれる思いでしょう。(佐々木)
【作者の作品に関する想い】
米子は小さな街だけれども、なんだかゆったりとした時間が流れているイメージがありました。 私が現在住んでいる信州の、男性的で厳しい風土に比べ、広い空と日本海、デンとそびえる大山が織りなす風景からは、そこに住むもの全てを優しく包み込むような大らかな母性を感じます。それは故郷として自分自身の原点になっている土地だからそう感じるのかもしれません。 そういった米子の街を象徴する形として女性像を中心に据えた彫刻を作りたいと考えました。 背景の太陽と月は、そこに暮らす人の日々の営みを表しています。 作品の題名は「太陽と月の神話」ですが、特別な物語がありこのような作品とした訳ではありません。作品に向き合ってくれた人それぞれの暮らしの中にある物語を、この作品を通して感じてくれればと思います。 私自身、この作品の中にはっきり見えるのは、シンポジウム期間中に関わった沢山の人たちと、暑い夏の太陽の下で作られた物語であり、日々の制作後、夕暮れの中の語らいで紡がれていった物語です。ひと夏の様々な出来事が、この作品を通し、皆さんの記憶として、太陽と月の下での彫刻シンポジウムの物語として、思い返される作品となれば幸せです。(原文ママ)
【編集後記】
タイトルを見ると妙に納得しました。「太陽と月」というキーワードが点と点を繋げ、線になりました。作者は米子に対して大らかな母性を感じると表現しています。私が感じた不思議な力とは、きっとこの母性からくるものだったのだと感じました。そしてその脇を飾る太陽と月は、作品に向き合った人々の暮らしの物語を表していました。この作品は米子そのものかもしれないと思いました。私はシンポジウムに参加していませんが、作者の想いを知ると、当時の暑い夏が不思議と想像できます。(佐々木)
Comments